BASE Q

2024

2023

2022

2021

【光村コラム】イントレプレナーこそ「早く」育てるべし!

※本記事は2023年5月26日にBASE Qメールマガジンより配信された内容を転載しております。

皆さん、こんにちは。BASE Qの光村です。

この4月から新たに新規事業を担当することになった方や、そのような方が新たな部署にいらっしゃったという方も多いと思います。

BASE Qのセミナーでも繰り返しお伝えしていますが、新規事業というものは大企業の既存本業とはまったく異なる種類の仕事です。また、新規事業担当者=イントレプレナーとして知っておくべきこと、身につけておくべきことが山ほどあります。
それらをまったく学ぶことなく、イントレプレナーとして第一線で活躍できるという方は極めて稀と言えます。

「実践」と「座学」

となると、どう学べばいいか、という話になるわけですが、これには大きく分けて2つのアプローチがあります。「実践」と「座学」です。

この2つを並べると、なんとなく実践のほうが尊く感じられます。
そして、それはそのとおり。
新規事業が教科書どおりに進むことはなく、またアメーバのようなもので常に形を変えながらさまざまな課題や難題が押し寄せてくる。ですので、結局のところは実践の中で学び、成長していくしかないのです。

しかし、じゃあ実践だけをやっていればいいかというと、そうでもないのが難しいところ。
というのは、大企業の社員の方が置かれている環境が関係します。

人事異動による「時間切れ」の恐怖

皆さんご存知のとおり、大企業の異動サイクルは通常3年程度とされています。
これは新規事業部門でも例外ではなく、私の経験上、3年を越えて新規事業を担当している方というのはよほど実績を出している方か適性が認められた方に限定されている印象です。
ですので、あまり時間がないのです。

これまで既存本業を頑張ってきた方が突然、新規事業担当を命じられる。
最初は戸惑いもあるでしょう。
何より、事業づくりにおいて何より大切になる「自分は何がやりたいのか」「自分が解決すべき社会課題は何か」という問いに対して最初から答えを持っている人は少なく、そこを考えるところから始まるケースがほとんど。
つまり、実践に入るまでの助走期間をある程度長く見積もっておく必要がある。

ようやくテーマが決まると、そこから具体的なアイディアの創出、仮説検証、プロトタイプづくりを経て、ようやく事業化に向かっていくわけですが、このプロセスが一本道で進むわけでもない。
スキルや経験を有する人がやっても、何度も行ったり来たりするのです。ましてや初心者がやったら、身動きがとれなくなったり、失敗していることに気づかずに突き進んで後で大きく戻ることになったり(結果、時間のムダになる)。そして、そこから抜け出せないまま異動してしまったり、ようやく抜け出していい動きができるようになってきたタイミングで異動を迎えたり。
私はそんな人たちを数多く見てきました。本当にもったいない。

イントレプレナーは「早く」育たなければならない

新規事業は実践から学ぶべきものであり、実践でしか学べないものもいっぱいあるけど、大企業の人事異動サイクルを考えると「早く学ぶ」ことも考慮しなければならない。これが現実です。

そこで私がおすすめするのが座学と実践の組み合わせになります。
座学で「型」を学び、実践でそれを試しながら、自分なり、自社なりの「型」を身につける。
「型」を知っておくことで避けられる失敗もあるし、自身が経験した失敗からより具体的に学ぶこともできる。
「型」を知らずに実践をしても「形無し」、ということです。

2023年度Qスクールのご案内

さて、ようやく本題。
BASE Qが毎年開催している「座学」型のイントレプレナー育成プログラムであるQスクールのお知らせです。

今年も7月上旬からスタートし、2024年3月末までがプログラム期間となります。
その間、全19コマの講義に加え、全5回の交流会を実施。プログラム修了にあたっては、イントレプレナーとしての現在地を可視化する人材診断「iスコア」によるフィードバックも実施します。
プログラム期間中は、東京ミッドタウン日比谷にあるBASE Qラウンジの利用権が付与されるほか、BASE Qホールで開催される大小さまざまなイベントの優待もご案内します。

「座学」とは言いましたが、上に述べてきたように「実践」の重要性も理解しているのがBASE Qです。
Qスクールでも教科書的に押さえておくべきポイントは踏まえつつ、そこからさらに実践知を加味してお伝えすることに心を砕いていることも申し添えます。

昨年度は29社、52名の方々に参加いただき、総合的な満足度は96%と高い評価をいただきました。
また、平均出席率も9割近くと、受講者が高いモチベーションで臨んでいるのもQスクールの特徴かと思います。

現在、今年度のQスクール参加者を募集中です。
すでに昨年度の受講企業からの継続お申し込みをいただいており、枠が埋まりつつあります。
下記の資料にて詳細をまとめておりますので、ご興味がある方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。

▼Qスクールのご案内資料はこちら
https://www.baseq.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/2023BASE-Q-QSchoolOutline.pdf

この記事をシェアする

光村圭一郎(こうむら・けいいちろう)

1979年、東京都生まれ。 早稲田大学第一文学部を卒業後、講談社入社。2007年、三井不動産に転職。 ビルディング本部にて開発業務、プロパティマネジメント業務に従事。その後、2012年より新規事業担当。三井不動産初の本格的なインキュベートオフィス立ち上げを主導。2018年には、東京ミッドタウン日比谷に『BASE Q』を開設し、大手企業のオープンイノベーションを支援するプログラムの提供を開始。