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【光村コラム】人事異動について思うこと。

※本記事は2022年4月6日にBASE Qメールマガジンより配信された内容を転載しております。

皆さん、こんにちは。BASE Qの光村です。

2022年4月。多くの会社で新年度を迎えられたのではないかと思います。
かくいうBASE Qも新年度。2018年に開業して以来、5年度目を迎えます。

昨年度は開業以来最高のクライアント数、売上に恵まれました。
ひとえに、お客様と頑張ってくれたスタッフのおかげと思っております。
今年度も引き続き、日本の大手企業のイノベーション実践と、イントレプレナー人材の育成に貢献していきたいと、想いを新たにしています。

今年も多くの「異動のご挨拶」をいただきました

さて、この時期になると、各社で新規事業に挑戦されている少なからぬ方々から、ご連絡をいただきます。それは「異動」や「退職」のご挨拶です。

今年、特に目立ったのは退職です。それも、長年勤めてきた大手企業を退職し、ある人は別の大手企業へ、ある人はスタートアップへ、またある人は起業に挑戦されるという、そんな連絡が例年になく多かったように思います。

皆さん、それぞれの考えや想い、背景があっての決断でしょうから、私としては見守り、応援する以外にありません。それぞれの選択の未来に幸多かれと願うばかりです。

一方、異動に関して言うならば、少々複雑な想いを抱いてしまうというのが正直なところです。
新規事業に適性があり、経験も積んでいよいよ活躍が見込まれるという方が、異動で新規事業から離れる光景を見ると、端的に言えばがっかりします。今年は特に、このようなケースが多かったように感じます。

一般に、日本の大手企業は3〜4年程度で社員をローテーションさせていきます。それで上手くいっていた面も多く、私もそれ自体を否定するつもりはありません。しかしそれは、既存事業領域での成功体験であり、新規事業領域では事情が異なるのではないかと思うのです。

イントレプレナー人材の成長には時間がかかる

既存事業領域の場合、異動するとはいっても同一、または類似の商品を扱いつつ、関わるレイヤーが変わる異動が多い。もしくは、異なる商品を扱うがビジネスモデルは似ているというケースもあるでしょう。いずれにせよ、過去の仕事の蓄積が活き、異動しても比較的すぐに馴染め、活躍することが期待できるのではないかと思います。

しかし新規事業領域の場合、馴染む、活躍するために、かなり大きな変化が、各人に求められます。BASE Qでは活躍するイントレプレナーに求められる3つの要素として「マインド」「スキル」「ネットワーク」を挙げていますが、このすべてにおいて既存事業領域の「常識」から脱皮し、アップデートしていくことが求められます。

この変化には、それなりの時間がかかります。
そもそもそのような変化の必要性を認識し、取り組みを始めなければならない。取り組みを始めても一朝一夕に成し遂げられるものではなく、日々、多くの挑戦と失敗に触れ、他者から刺激を得、それを内省することで培われていきます。また、その取り組みの精度が低ければ、時間をかけても大した変化が起きないことも珍しくありません。

新規事業に適性がある人というのは、このような取り組みを始めた時点ですでに、多くの素養を獲得しているか、成長スピードが速い人を言うのでしょうが、私が見る限り、そのような人は少ない。大手企業のビジネスパーソンの場合、やはりある程度の時間をかけて、じっくり育てていく必要があります。

そういう背景を踏まえると、今の大手企業で通常行われている3〜4年での異動というのはいささか短すぎる。新規事業領域という特殊性を鑑み、一歩踏み込んだ「別のやり方/考え方」を導入する必要があるのではないでしょうか。

現実を踏まえた対処法を

とは言うものの、この問題は今に始まったことではありません。すでに何年も前から変わらない状況とも言えます。大手企業の人事制度に絡む話は、簡単には変えることができないという事情もあります(しかし、もっと柔軟に運用してくれないと厳しいというのが本音ですが)。

となれば、人事制度が早く、大きく変わることは期待できないということを前提に、現場としては対策を立てていくしかない。シンプルに言えば、成長スピードを速くする、手戻りをなくすしかないわけです。

上述のとおり、イントレプレナーの成長には、

・変わることの必要性の認識
・数多くの挑戦と失敗
・他者からの刺激
・内省による自身の気づき

が必要です。これを高速サイクルでまわしていくわけです。

変わることの必要性の認識は、このメルマガのような情報に触れたり、各種のセミナー等に参加することで得られるかもしれません。

数多くの挑戦と失敗は、とにかく手数と場数。どんどんアイデアを考え、それを顧客にぶつけ、否定されてもまた考える。これがどれくらいの数、まわせるか。ここで重要なのは「顧客にぶつけ、否定される」ことです。ここで初めて挑戦し、失敗したと言える。自分の頭の中で考えていたり、身内の中で品評しあっているだけでは、挑戦したことにはなりません。

他者からの刺激は、要は人付き合いを変えること。自分が持っていなかったような観点から指摘をされたりアドバイスをされることで刺激が得られる。これも、自分にとって馴染みがある、快適な環境ばかりに身を置いていては獲得が難しいです。

最後に内省。自分が体験、経験したことをしっかり反芻し、自分の言葉に変えて腹落ちさせる。この内省も、自分の頭の中だけで考えてできる人は少なく、メンターなどの第三者と会話が手助けになるケースが多い。

このようなことを考えて、とにかく能動的に、具体的に日々の動きの質を高めていく。これが現実的な対処法と言えます。

幸い、BASE Qでは上に挙げた動きの質を高めるための機能やコンテンツが揃っています。
Qスクールやそこを起点としたコミュニティ、新規事業案に対する伴走やメンタリング等を駆使して、皆さんのサポートができると思いますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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光村圭一郎(こうむら・けいいちろう)

1979年、東京都生まれ。 早稲田大学第一文学部を卒業後、講談社入社。2007年、三井不動産に転職。 ビルディング本部にて開発業務、プロパティマネジメント業務に従事。その後、2012年より新規事業担当。三井不動産初の本格的なインキュベートオフィス立ち上げを主導。2018年には、東京ミッドタウン日比谷に『BASE Q』を開設し、大手企業のオープンイノベーションを支援するプログラムの提供を開始。