BASE Q

“おーぷんいのべーしょん“なメルマガvol.5

※本記事は2020年8月7日にBASE Qメールマガジンより配信された内容を転載しております。

Q _5_意思決定の最適な形とは?

こんにちは、BASE Q 阿部です。

 毎日蒸し暑い日々が続き、夕方にはスコールのような雨が降り、日本は熱帯になったなと感じています。ようやく梅雨明けを迎え、自転車に乗るのが気持ちよい秋を見越して、社会人になったばかりの時に購入したロードバイクを、そろそろ買い替えようかなと思っています。当時ちょっとした臨時収入があったタイミングで、「これで買えるものでお願いします」というざっくりオーダーで、サイクルショップにトータルセットアップしてもらった記憶があります。8年も乗るとさすがにいろいろくたびれてきて買い替えは確定かなと思うものの、ロードバイク 自体がそんなに安い買い物ではなく、一度買えばしばらくは乗るものであるため、色々なメーカーやモデルに目移りしています。

近況はさておき、そんな今回の問いですが、以下でお送りしたいと思います。

Q _意思決定の最適な形とは?

なぜ、このテーマを取り扱おうと思ったか。
自転車選びに悩んでいることもありますが(笑)、前職(リクルート)よりも現職の方が、意思決定に苦労していると実感しているからです。

そもそも、”意思決定”というのはどういうことでしょうか?
今回は”意思決定”=”いくつかの選択肢から一つのものに絞り込むということ”と定義します。

組織における意思決定の方法にはいくつかありますが、職場において見られる典型的なものを挙げれば、以下の2つになるでしょうか。

1:明確な決定権者が決める「ワンマン」型
2:決定権者が明確ではない「合議」型

 ”決める”ことだけに特化すれば、ワンマンパターンは非常に簡単で早く、決定権者に対して適切な情報を提供し、いくつかの選択肢を提示して、その人に決めてもらえればいい。決定権者以外の人にとっては楽な方法と言えるかもしれません。

一方、合議パターンは、最終的には一人の決定権者が決断するものの、プロセスとしては文字どおり“全体“の合意を重視します。多くの人が意思決定に関わるため、納得感は得られやすくなるかもしれませんが、合意形成に時間を要しますし、最終的には「間をとった」結論になることも多く、尖った意見は反映されにくいという短所があります。

 多くの日本の大企業では合議型の意思決定が採用されていると思います。そして、新規事業における意思決定を考えたとき、この型が有効に働く場面と働かない場面があると感じます。もう少し深く考えてみましょう。

 ここでは仮に、新規事業としてWebサービスを構築することになったと想定してみましょう。

 Webサイトをつくるにあたって、もっとも重要なのは「プロジェクトの目的」を設定することです。そして、その目的に沿って必要な機能や画面を洗い出し、優先順位を整理して具体的なレイアウトを決めていきます。ここは、すでに確立されたセオリーもありロジカルに議論できるため、仮に合議パターンの意思決定であったとしても、問題は生じないと思われます。

 しかし、合議が機能しなくなる場面も出てきます。典型的な論点が「デザイン」です。少々極端な例になりますが、Webデザイナーから次の3つの提案が出されたとしましょう。

 A:暖色を中心とした温かみや親近感のあるパターン
 B:寒色を中心としたクールでシステマチックなイメージのパターン
 C:モノトーンを中心としたスタイリッシュなパターン

 デザインは、それぞれの好みが反映されるため、合議的な意思決定だと議論が散漫になりやすい。論点を絞り込めず、最終的に決定権者が決めたとしても、異なる好みを持つ人は不満を抱えたまま、という光景も散見されます。一方、デザインのような性格の議論でも、合議ですんなり決まり、後で不満が出ることもないというケースもあります。この違いは一体、どこから生まれるのでしょうか。

 答えは「議論をする人たちが、このWebサービスの“らしさ”を共通認識として持っているかどうか」だと思います。

 今回、喩えとして示した新規事業がBASE Qに関連するものだとしましょう。BASE Qにお越しいただいたことがある方であればおわかりいただけると思いますが、BASE Qは全体的に白と黒を基調とした空間設計となっています。それがブランドの根幹であり、BASE Qの“らしさ”でもあると関係者の多くが認識しています。したがって、議論はスムーズに「C」に落ち着くはずです(もしくは、共通認識があるゆえに、それを壊す大胆な意思決定も可能になるかもしれません)。

 しかし、すべての新規事業で、BASE Qのような明確なイメージが事前に決まっているわけではありません。そうなると、担当者の阿部は「この事業はどのようなコンセプトで、どんなイメージなのか」を、合議に関わる多くの人に説明し、そこから“らしさ“を抽出して認識してもらう必要が出てきます。これが、合議型の意思決定を行う組織で新規事業に取り組むときに、担当者が意識すべき重要なことだと思うのです。

 このような“らしさ”を意識した議論は、デザインだけでなく多くの場面で有効です。新規事業を進めるということは、ある意味で常に「右か左か」の意思決定を求められるようなもの。「ビジョンの実現か、利益の優先か」「攻めるか、守るか」。どちらも正しく見える問いを、漫然と合議型で議論していても結論は容易に出ないでしょう。そんなときに、立ち戻るべきは“らしさ”だと思います。

 冒頭、阿部が現職において意思決定に苦労しているという話を書きました。BASE Qは三井不動産だけでなく、電通やEY Japanとの共同事業であるため、じつは「合議型」の意思決定を重視しています。そこにおいて、担当レイヤーである阿部としては、さまざまな提案をしたり議論に参加したりしていますが、まだ効果的な関わり方ができていないと感じています。

A_前提であり、よりどころでもある”らしさ”を確立・共有することで、物事はうまく決められるようになる。

またこの”らしさ”はオープンイノベーションにおいて他の企業と協働する際、バックグランドの異なる他メンバーと仕事する際にも理解すると進めやすくなる大事な要素だと思っています。対峙する相手の”らしさ”を理解・尊重しながら仕事していきたいですね。

―“優れた問いから 優れた答えが生まれる” BASE Q-

今後ともお付き合いいただけると幸いです。

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阿部祐介(あべ・ゆうすけ)

1985年、愛媛県生まれ。筑波大学大学院を終了後、リクルートホールディングスに入社。ネットビジネスプロデューサー・マネージャーを経験。事業計画立案、商品企画、営業推進、プロダクトマネージャー・O2Oマーケティング、BPRなど幅広いプロジェクトを推進。2020年 三井不動産入社、BASE Qに参画。